2005年5月14日

石川保茂「教師の力 教室の空気を入れ替える」

著者である石川先生@京都外大からご献本いただきました。ありがとうございました。

授業を行う上でのTipsをまとめた本。対象は中学、高校の教員となるだろうか。個人的には教育実習前や初任教員に読んでもらうといいのではないか、と思う。

この本で読んで思ったことは、授業を行う上で必要となるのは「教師と生徒の間のルールを決める」ということになると思う。Ⅰで言えば、(8)板書のしかた、(14)採点のしかたなど、「・・・のしかた」という節があてはまる。生徒との約束事を明文化して納得させておくことが、あとで効いてくると思う。もちろん、いい方法を見つけるには経験も必要だし、生徒に応じて修正することは大事。

Ⅱは特に(1)クラス開きの仕方や(13)「学園祭のとき」というところがなるほどと思った。著者が使う言葉では「芯」と言われている部分である。これも上と同じ「ルール作り」、ひいては「教師と生徒との信頼関係」ということになるだろうか。また、芯を作るためには教師が揺るがないことが重要なのかな、と思う。とても難しいことだけれど。

読んでいると自分が塾で働いていた頃を思い出した。いろいろあるが、例えば、生徒に「叱る」「怒る」「キレる」では違うのだと。本当に教師が感情的にキレてしまったら生徒もそのことが分かるし、その後信頼関係を作るのは難しくなる。生徒には叱ることはあっても、キレてはいけないな、と。今は、大学生が対象になっているので、感覚はだいぶ変わっているけれど、心の片隅には置いておかないといけないかなぁ、と思う。

2005年5月 9日

真保裕一「ダイスをころがせ」(上)(下)

選挙をテーマにした娯楽小説。同世代である34歳の主人公達についつい引き込まれてしまう。社会に出て10年ばかり、社会や大人のずるさも知りながら、同級生に会うとついつい若い感情が戻ってきてしまう、というのはとてもよく分かる。主人公の駒井健一郎にかなり感情移入して読み進められた。

選挙の仕組みなんかについても分かりやすく記されている。立候補する天知達彦は盛んに「国民が行動を起こすことしか政治を変えられない」ということを主張する。既得権益を守ろうとする制度や社会についても異を唱える。この辺は作者の主張でもあるのだろう。また、選挙というものには一種の魔力があるのだな、という印象も受けた。

いろんな要素を含んだ一気に読める小説。30代の方にお薦めです。