2004年11月24日

中野独人「電車男」

読み始めたら、止まらなくなってしまい、一気に読んでしまった。。。どきどきしたなぁ。臨場感がいいんだろうか。あと、みんなの一体感も感じられるのもいいし。確かに学生の頃は、着る服はどうしようか、どこに行ったらいいものか、なんていろいろ調べたりしたもんなぁ。そういう共感もあるのかも。

しかし、映画化までされるというが、本人とかは大丈夫なのかなぁ。そこがちょっと気になるのだけれど。

杉山幸丸「崖っぷち弱小大学物語」


ほかのWeb日記でもちらほら見かけていたので気になっていたのだけれど、先日購入して一気に通読。なるほど、と納得。よくここまで書けたなぁ、というのが正直な感想。これは筆者が京大霊長類研究所所長でもあったことによるものなんだろうけど。私でも大学に就職したときにいろいろ不条理な点があって驚いたものだけど、筆者は30数年京大の研究所に勤務し、今の大学に移ったときには、それはそれは大きなショックだったことでしょう。

残念ながら、この本に書かれていることは大体確かである。一般的に、大学の運営そのものにおかしな点が多く、問題は山積み。改善しようと努力すると、一部に負担が偏ってしまい、不均衡になる。かたや授業だけやってる教員、かたや授業コマ数も多い上に、雑用や会議や研究でいっぱいいっぱいの教員、しかも給料は変わらない、なんてことになるわけである。別にうちの大学がそう、というわけではないのだけれど、あてはまる点も多いのです。

というわけで、大学関係者のみならず、幅広い人に読んでもらって大学の実態を知ってもらえると、大学選びの時などにも役に立つかも?

2004年11月23日

山田真哉「女子大生会計士の事件簿 DX.1ベンチャーの王子様」


文庫になったら買ってみようと前から思っていた本。会計のトピックを推理小説風にまとめたもの。最初は、ミステリ、という視点で読んだので、さすがにそれはちょっと違うなぁ、とは思ったけれど、会計を勉強するとっかかりにはとてもいい本です。

もちろん会計士を目指す人には物足りないんだろうけど、簿記について勉強を始めようと思ってたり、シスアドでの会計の範囲の実例を知ろうと思ってたりする人くらいにはちょうどよい。ケーススタディにもなってるしね。学生に紹介してみたいと思います。

潮木守一「世界の大学危機」


世界の大学の歴史と問題点をまとめ、日本における大学の諸問題を見直している本。もともと桜美林大学大学院の大学アドミニストレーション課程での教科書として書かれたものをまとめなおしたものだそうで、とても分かりやすかった。大学問題を学ぶ人にとっては必読書であると思う。

もともと大学は研究が第一の目標であり、その環境に若者の一部をおくことによって教育する機関であったことは間違いないだろう。しかし、現代では、日本を始めとする先進国では50%以上もの若者が大学に通うようになり、昔のままの大学というわけにはいかず、各国ともいろいろ問題を抱えているようである。日本ももっとマクロな視点から考えられればいいのだけど、結局は自大学しか見ないし、違う方違う方にいっちゃうんだろうな。

小川洋子「まぶた」


短編集。他の本の作品といろいろつながっているのだなぁ、という印象。「バックストローク」は、他の本で話は知っていたが、本作はこれなんですね、という感じ。他にも似たような話もいくつかあり、既視感があったのが残念。そんな中「飛行機で眠るのは難しい」「リンデンバウム通りの双子」はなんとなくほっとするような作品で、とてもよかったです。

京極夏彦「百鬼夜行」


京極作品は途中までしか読んでないので、京極堂シリーズとの関係性が分からないものもあったけれど、雰囲気はそのままに、一編が70ページ前後だし、気軽に読み始められる(本編は読むのにパワーがいる(笑))ので、とてもよかった。
また、シリーズ読んでみるかな

乃南アサ「悪魔の羽根」


短編集。ほのぼの系、ハッピーエンド系、ブラック系、取り揃えている。ちょっと読むにはいい作品集。中でも「はびこる思い出」がよかった。もしかして、と思わせるところがいい。あったら怖いけどね。男は浅はかであるということもいえるけど。

「指定席」も、リアルに怖い話。手続きというものは結構重要ですから。ここまでいくと危ないけど。

唯川恵「肩越しの恋人」


第126回直木賞受賞作。うーん、こういう作品はあまりよく分からない。2人の女性の日常を描いているわけだが、なんかリアルさにかける気もする。そういえば、昔山口智子主演のドラマ「29歳のクリスマス」でも似たような結末(松下由紀が演じていた女性)があったような気がする。本当にそう思うものなのかなぁ。

しかしながら、この作品、女性に人気があるようだ。ということは、私は女性の感情に共感できないということ!?

折原一「倒錯の帰結」


「倒錯三部作」完結編。これはすごい。折原作品でもNo.1ではないかなぁ。2つの小説(密室モノと叙述モノ)が組み合わさり、最後の結末へ。3度おいしい作品である。あまり詳細は書けないけれど、メビウスの輪のようにめぐりめぐる感じがする。

倒錯シリーズを読んだのがかなり昔なので、細かいことを忘れていたのが残念。
それを覚えていれば、もっと深く理解できたろうに。

2004年11月14日

内田樹「街場の現代思想」

ホームページに書かれたエッセイと連載記事をまとめたもの。内田先生の本を読んだのは2冊目だが、かなり多くの人が読んでいるようですね。第1章の「文化資本主義の時代」にかなりひかれた。おもしろかった。文化資本である。なんといっても私には文化資本が欠けているんですよねー。

「文化資本」には、「家庭」において獲得された趣味や教養やマナーと、「学校」において学習して獲得された知識、技能、感性の2種類がある(p18)。

「家庭」で習得した文化資本と、「学校」で習得した文化資本の差はこの「ゆとり」、あるいは「屈託のなさ」のうちにある。その「ゆとり」は何よりもまず「無防備」という形を取る(p20)。

私における文化資本とは、「お笑い」と「阪神・野球」で固められているといえる。大阪の下町の商店街の一角で、やや貧乏な家庭で生まれ育ったのだから必然だ。そのあたりの知識はかなりのものだと、自負してます。しかしながら、美術や音楽、ワインやブランドなんて全く分からない、、、。周りとの違いに愕然とすることもあります。

30歳を越え、「文化資本向上計画」をたてたいな、と思う今日この頃である。でも、きっと「ゆとり」なんて全くないんだろうけど、、、。