2005年4月22日

藤原正彦・小川洋子「世にも美しい数学入門」

私がよく読む2人の作家(?)による対談。<博士の愛した数式」を書くときには藤原先生に取材してるのかぁ。

数学者の天才ぶり、奇人ぶり?や「博士の愛した数式」と友愛数、完全数との関係もよかったし、第2部の「神様の隠している美しい秩序」で紹介されている定理や法則なんかはぜひ学生に読んでもらいたいなぁ、と思う。やっぱりね、「数学は美しいのだよ」(笑)。

2005年4月16日

吉田文・田口真奈・中原淳「大学eラーニングの経営戦略 成功の条件」

田口さんからご献本いただきました。ありがとうございました。大変勉強になりました。

中心は「技術」「コスト」「教育効果」の3点に注目した5つの大学の事例報告。国立・私立、都市・地方、大規模・小規模、とバランスのとれた大学が選ばれており、参考になる点がちりばめられているところがいい。今、自分の関心のあるのは支援組織作りなので、玉川大学の「コースコンサルティング」能力を持った支援スタッフの充実(p46~p47)、青山学院での企業の専門家と教員との連携、学生・院生の育成(p84~p88)などが興味深かった。

p84に書かれているのだが、海外では、先進的なe-ラーニング授業を実施する場合は1.5コマにカウントされたり、外部研究資金に応じてコマ数を減じるなどの努力が行われているところがあるそうだ。ここまでいかなくても多少の配慮も必要だと思う。現状では、先進的な取組は、「勝手にやっているのだから」といった風潮があり、通常の授業、業務にプラスして行われることが多いのではなかろうか。大学全体で支援する仕組みが必要になると思う。

7章で、”テクノロジーを活用した大学の学習環境”について「①部門のセクショナリズムが横行していたり、②学内の学習システムのイニシアチブをとる組織の不在によって、相互のシステムの存在が不可視になっていることなどから、実現が不可能になっている場合が多い。つまり、多くの場合は、ヒューマンサイドの理由によるというわけである」(p169)とある。まさにその通りだと思う。eラーニングに限ったことではないが、縦割り構造をなんとかして崩し、連携していく必要がある。

また、8章ではMITのOpenCourseWareの組織について詳細に記述されている。出版モデル、リエゾンと呼ばれるマネジメント(?)のスペシャリスト、このリエゾンを卒業生でまわしていくシステム、など非常に勉強になった。

そして、9章の4節で、eラーニング普及の支障となる要因として「教員の無理解・協力体制の欠如」、「コンテンツ作成支援の問題」、「大学全体のIT化やそのための学内体制の構築の弱さ」をあげている。この3点を少しずつ解消していく手立てを考えて、実行できればeラーニングが効果的に運用できるになるのだろう。

2005年4月11日

關昭太郎「早稲田再生」

金融出身の早稲田大学副総長の奮闘記。大学という特殊な環境での仕事にいろいろ苦労しながらも、改革に向けて進んでいこうとする様はすごいと感じた。p19に書かれているが、大学というのはスピードが遅く、既得権益を守ろうとし、責任の所在があいまいという組織である。ずっと大学で生きているとそのあたりが麻痺してくるのだろう(自分もそうなっている部分があるので反省しないといけない)。

理事・幹部の特権剥奪(p47)、経費削減運動(p48)、財務情報などの公開性と透明性(p107)など納得のものが多く、自分としてもできることはやっていかねば、と思った。

こういう意識を上層部に持ってもらうことが大事だと思うが、私のような下層部も意識しておくことが変革に向けての第一歩になるのではないかと思う。

關昭太郎「早稲田再生」

金融出身の早稲田大学副総長の奮闘記。大学という特殊な環境での仕事にいろいろ苦労しながらも、改革に向けて進んでいこうとする様はすごいと感じた。p19に書かれているが、大学というのはスピードが遅く、既得権益を守ろうとし、責任の所在があいまいという組織である。ずっと大学で生きているとそのあたりが麻痺してくるのだろう(自分もそうなっている部分があるので反省しないといけない)。

理事・幹部の特権剥奪(p47)、経費削減運動(p48)、財務情報などの公開性と透明性(p107)など納得のものが多く、自分としてもできることはやっていかねば、と思った。

こういう意識を上層部に持ってもらうことが大事だと思うが、私のような下層部も意識しておくことが変革に向けての第一歩になるのではないかと思う。

2005年4月 2日

石浦章一「東大教授の通信簿」

東京大学の教養学部前期課程(1、2回生)の授業評価アンケートの結果をまとめたもの。うちの大学で全学に対する授業評価アンケートを集計、分析した立場としての感想は、授業評価アンケートの結果や考察、教員の反応は東大でもどこでもあまり変わらないな、ということ。新しい知識は特に得られなかったが、こういった内容のものが新書で出て世間に知られるということに意味があるように感じられた。タイトルもキャッチーだし。

やはり、教員の中には「学生にどのような授業がいいのか評価する能力がない」「こんな授業アンケートで何が分かるのか」などと言う方がおられるようだ。もちろん、授業評価アンケートは授業の一側面を映したものであるが、そこからでもいろんな問題点が見えてくると思うので、その辺りは真摯に受け止めていきたいと思う。また、授業評価の結果を受けて、FDにも力を入れておられ、授業の相互参観なども熱心に行っておられるようである。東大がこういうことを行い、アピールすることは重要だと思う。ただ、他の大学も多数取り組んでおられているので、ちょっと書き方が強い感じも受けた。

ちょっと気になった点が2つ。男女共同参画について述べられているが、女性教員は男性教員と授業評価の結果が変わらないことを「驚くべきもの」と評している(p178)のは、結果的に”男女の結果が違う”と暗に思っていたということを示しているので、おかしいのでは?と感じた。また、東大のコマ数が少ないのは理解できるのだが、「年8コマで驚いてはいけません」と書かなければいいのに、、、とは思いました。私も年14コマ、非常勤入れれば18コマですからね、、、。

いろいろ書いたが、東大がこういうことに力を入れていることを公表することには意味があると思うし、授業の相互参観など、広まるきっかけになればいいと思います。