2006年03月09日

渡部信一「ロボット化する子どもたち 「学び」の認知科学」

「学び」を、ロボットの「学び」、障害児の「学び」という視点から考えた本。ロボットを対象にして、人工知能の進歩や停滞から、行動主義心理学、認知心理学、認知科学、状況的学習論というパラダイム変化を説明しており、非常に分かりやすい。理系の人にも、文系の人にも理解しやすいと思う。参考図書として使いたい。

第5章で「教え込み型教育」と「しみ込み型教育」について述べられており、日本で伝統的に行われてきた「しみ込み型教育」について振り返るべきだと指摘している。職人のわざの伝承などはたしかに模倣などから始まる。長年共同生活をしたりすることで、言葉では伝えられないものも伝えられる関係になるともいえる。このような学びは非常に手間もかかるわけだが、うまくいけば効果は高い。教育現場にどう取り入れていくのか、というのが課題といえる。

eラーニングについても言及されている。やや否定的に取り扱っている印象も受けたが、子どもたちにとってのリアリティはどんどん変化しており、高度情報化時代の「学び」とは何かを考えていく必要がある、と言うことだと思う。また、自閉症の子どもにおける「学び」についての部分は知らないことも多く、勉強になった。

渡部先生は東北大学インターネットスクール(ISTU)でお名前は存じていたのだが、こういう研究をされてきたとは知らなかった。

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