2010年11月アーカイブ

日記を書けない日々が続きますが、、、科研も落ち着いたので、書いていきたいと思ってます。やるやる詐欺的になってますが(苦笑)。

今日は、予想以上の反響なので、自分なりのまとめを書いておきます。

京大「情報社会と人間」。前回にニコニコ動画について説明した上で、今日は金丸くん@京大に「動画コミュニティについて」ということで、「ニコマス」についてお話していただきました。

授業資料はこちら、授業のために準備してくれたニコ動のリストがこちら

Togetterでもまとめていただいてます。「京大にてニコマスを題材にした講義、実況と周囲の反応」

授業内容は授業資料を見てもらうのが一番だと思いますが、簡単に内容を。

「ニコマス」とは、「ニコニコ動画上にアップロードされたアイドルマスターMADの略」です。MADとは、「既存の動画や音声、画像などを組み合わせて作成された主として二次作品の総称」です。

「アイドルマスター」は、バンダイナムコが2003年より業務用、2006年より家庭用ゲーム機で販売している、アイドル育成シミュレーションで、アイドルにレッスンとかオーディションとか受けさせて売り出すゲームです。ここにPVパートというのがあり、アイドルが歌って踊ります。

この映像に出てくるアイドルの部分を切りだして背景や楽曲などを編集して作成されたのが「ニコマス」ということになります。実際に授業でその動画がいくつか紹介されました。技術のことはよく分かりませんが、素直にものすごいできだと思います。

PV動画の変遷が述べられ、動画につけられたタグを用いてのクラスタリングについて解説。まあ、クラスタリングされた結果がいいのかどうかが分からない(タグの情報が作者とかキャラ名とかで分からないので(笑))のですが、動画の特徴を、人手でつけられた(言語情報である)タグで分類するというのは、大変興味深いです。ソーシャルタギングがどれくらい有効か、ということの検証にも使えそうです。また、動画の類似度(何を持って類似度をはかるか、にもよりますが)とタグによるクラスタリングがどのくらい近そうか、ということを調べられると面白いな、と思いました。

そして、「ニコマス」コミュニティと動画コミュニティとの違いが述べられ、分散知の説明がなされました。分散知は"distributed intelligence"で、「分かちもたれた知」と訳されることも多いですが、ネットワークが発展した社会において、知は個人に所有された静的なものではなく、他人やモノに分散している知を協調する活動の中にある、ということです。おそらく自然発生的に、自分ができるところをやって、みたいな役割に近いものができていったということだと思います。

最後に、コミュニティの変遷で、黎明期、成長期、発展期、衰退期とライフサイクルとして説明していました。おそらく特徴的なのは、発展期、衰退期で、先導者の離脱に加え、分化、分散が起こり、また新たなサイクルが起こる可能性があるところなのかな、と。うーん、でも普通のコミュニティでもそうかな。ちょっとこの辺は調べてみないといけないですね。

終了後、しばらくオフ会?(笑)のような感じで、盛り上がっておりました。

授業には60名ほどの受講生がおり、そもそもニコニコ動画を見たことがない学生も半数程度います。ニコ動を見ていても、「ニコマス」のことを知らなかった学生もいました。当然のことです。

この授業では、最近の情報関係の話題を取り上げています。どういうサービスがどういう目的で展開されているのか、なぜ流行しているのか、といった点について理解してもらうことが、この授業の大きな目的です。よく勘違いされるのですが、私はYouTubeもニコニコ動画もほとんど見ません。Web日記やmixi、かtwitterはやってますが、それでもジェネレーションギャップに驚くことばかり。また、オタク文化(と、今や一口には言えませんが)、特にアニメの人気については驚いています。ただ、なぜアニメなどのオタク文化がこんなに人気があり、普及しているのか、ということにはとても興味がありますし、その伝播スタイルはおそらく15年前とは変わっているでしょう。その辺りについても、自分の経験と学生の経験を比較しながら、考えていければと思っています。

「ニコマス」については、MADということもあり、著作権的には問題のある動画であるということも知っていました。ただ、これが流行っていることは事実で、なぜ流行るのか、作成者側も、視聴者側、それぞれに理由や動機があるのだろうと思いますし、流行る上でのコミュニティの形成にも特徴があると思います。このことについて考える機会があれば、と思ったのが大きな理由です。CGM(Consumer Generated Media)だ、と言って、簡単にはまとめられないでしょうし。

正直なところ、私には、このような形(アイドルマスターのアイドルを抜き出してPVをつくる)で動画をなぜ作成するのか、あまりよく分かっていません。素人には、一から作ればいいのに、と思う気もしますが、おそらく、何かがあるのでしょう。素材の共有意識も1つの要因なのかもしれません。それは前回の授業で紹介したエルシャダイの動画も同じなんでしょうか。

今回の授業は、金丸くんが、「ニコマス」について詳しく、かつそのコミュニティに属しているということ、研究的な視点からも話ができる、ということで、お願いしました。ある程度は話題になるかな、と思ってましたが、実際にここまでに反響があるとは予想以上でした。

こういうテーマを授業で扱うのは不謹慎だ、という意見も拝見しました。その点も理解できます。私としては、上記のような理由で取り上げた、ということは明示しておいたほうがいいかな、と思いまして、この日記を書きました。

しかし、本当に知らないことばかりで驚きます、、、。

ご無沙汰しております。。。久しぶりです。

11/13に京都外国語大学の教育GPの公開フォーラムを行ないます!
日本語教員養成、日本語教育、SNSの教育利用などに興味のある方、
ぜひご参加下さい!
私も10分ほどですが、話しますよ。いつものように、漫談風になりそうですが(苦笑)。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
京都外国語大学教育GP公開フォーラム
「多文化共生時代の協働による日本語教員養成 
  -体験活動での教育効果を高めるWebダイアリの活用-」

共催:日本語プロフィシェンシー研究会

日時:2010年11月13日(土)10:00~17:00
会場:京都外国語大学 1号館

Program A
10:00~10:05 開会挨拶 久保哲男 (京都外国語大学 副学長)
10:05~10:20 趣旨説明 中西久実子(京都外国語大学 准教授)

10:20~10:40 テーマ1「日本語教員養成におけるSNS・学習空間の重要性」
        村上正行(京都外国語大学 准教授)
        中俣尚己(京都外国語大学 嘱託研究員)

10:40~11:10 テーマ2「SNSを活用した日本語教員養成」
        石井香織(釜山外国語大学)
        石原俊一(オーストラリア国立大学)
        中俣尚己(京都外国語大学 嘱託研究員)

11:10~11:40 テーマ3「SNSを活用した海外の大学との交流」
        上田早苗(香港中文大学)
        片岡由紀夫(ハワイ大学)
        岸磨貴子(京都外国語大学 嘱託研究員)

11:40~11:45 休憩

11:45~12:15 フロアを交えての全体討論
12:15~12:25 外部評価員からのコメント
          上田早苗(香港中文大学)
       宇佐美まゆみ(東京外国語大学大学院)
12:25~12:30 総括コメント 土岐哲(京都外国語大学)


Program B
13:30~13:40 挨拶 鎌田修会長(南山大学)
13:40~14:50 講演 宇佐美まゆみ(東京外国語大学大学院)
           「プロフィシェンシーとポライトネス」
14:50~15:10 休憩
15:10~16:10 OPIテープ検討会
16:10~16:50 研究発表
16:50~17:00 事務連絡

詳細情報はこちら(京都外国語大学Web)まで

 

最近のコメント

 

Link

  

アーカイブ

Powered by Movable Type 4.261