FDに関わる若手教員の現在と未来

第15回大学教育研究フォーラム2日目。午前は個人発表。森さん@島根大は、大学で授業研究を行うことで個別のFDを行うという実践でとても興味深かった。もちろん負荷は大きそうだが、いろんな形で展開していけそうだな、と思ったのと、教員と研究者(助言者?)のやりとりを紹介していけば、いろんな所でも参考になるのではないかな、と思った。今野さん@東北大は授業リフレクションに関する研究。総合討論でも落ち着いた回答ぶりで大したもんだなー、と思った。杉原さん@山形大は、FDネットワークの評価というか成果を目指した発表。さすがです。

小講演は、里見さん@京大の「動く職員組織をつくる ―職員は大学の「財産」―」を聞く。里見さんは文科省から現在京大に出向されている方で、大学に勤めて3年。少しお話したことある程度だったが、話はめちゃくちゃ面白かった。国立大学の職員の話はよく聞いていたが、それをいかに変革し、組織化していくか、というところをよく考えておられると思った。こういう人がいることは、職員のみならず、教員にとってもかなり支えになる。一度、外大にも講演に来てもらって、法人や人事、管理職の方に聞いてもらいたい、と心から思った。

昼は打ち合わせをして、午後ラウンドテーブル。「FDに関わる若手教員の現在と未来―高等教育センター若手教員の奮闘2―」というもの。田中先生@京大もこられてどきどきする。杉原さん司会のもと、4名が報告。まずは石川君@京大が「若手FD担当者の置かれた状況」ということで、アンケート調査の結果、考察について報告。やはり任期付きが多く、専門との違い、業務の多様さや多さに苦しんでいることがよく分かった。

山田君@島根大は、昨日のシンポジウムの報告内容をベースに実際の業務について報告。学内の組織化も大変だが、センター内の組織自体もかなり大変であるということ、学内からの過度な期待の割には人的リソースが不足している、ことなどを紹介してくれた。

葛城さん@香川大は、香川大の現状を紹介しながら、GPなどの外部予算を当て続けないといけない状態であり、あたってしまえば本業に支障が出る、という本末転倒な状態であることを報告してくれた。この状態を「ジェンガ的様相」と表現されたのが、あまりに面白かった。

両方に共通するのは、大学からの過度な期待をかけられながら組織としての力は弱く、予算はGPや概算要求などの時限付きのものが多い、という現状、そして時限付き予算をとってこれないのなら組織自体がなくなってしまう、という不安と戦いながら、通常業務とプロジェクトをこなしていっていることがよく分かる。

そして、私が「中小私立大学における FDの現状と課題」というタイトルで、京都外大のFDについてぶっちゃける。この日記は大学の人もけっこう見ているようなので、多くは書けなかったり(苦笑)するけれど、2年前までのアリバイありきなFDについて紹介。飲み会中心の議論が委員会などで展開されているとか、委員会の改組に無駄に4年かかるとか、ニーズを聞いて日程を変更するだけで大変とか。もちろん大学の長所についても紹介。個々の教員は熱心に教育にとりくんでいるし、学生も職員も教員もみんなまじめである。あとはどう組織化していくか、実質化していくかが問題であり、そのためには教授陣、上層部をどう巻き込んでいけばいいのだろうか、というところが課題であることを述べた。すっかり、ぼやき漫談だったかな、とは思うけれど、まあまあ伝えられたかな。

休憩の後、45分間のグループディスカッション。私は私立大学グループ。森田さん@夙川学院短大の奮闘をお聞きして、中小私立大学ならではの問題点を共有する。論理的に説明しても、感情ではねつけられることが多いので、そこをどうすればいいのでしょうね、という話になる。私は外でばっかり仕事していると思われないように、大学独自の仕事もこなすことに加えて、なるべく大学行事に参加するようにしている、という話をした。こういうのも大事だろうな、と思う。

ここでの議論のまとめは、Webなどで公開する予定ではあるが、それとともに、いろんな形で報告していかないといけないな、と思った。

なにはともあれ濃い2日間となった。自分の大学人、研究者としてのアイデンティティは揺らぎまくりではあるけれど、自分なりに消化しながら進んでいかないといけないんだろうな、と再認識はできた。

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このページは、村上正行が2009年3月21日 23:55に書いたブログ記事です。

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