2011年3月アーカイブ

2010年度を振り返る

今日は担任をする4年生のオリエンテーション、ということで、参加し、その後、学生への履修指導などを行いました。

2010年度も終りになりました。4月1日の日記を見なおして、振り返りたいと思います。

研究については、自分の研究論文が1本採録、解説論文も共著で1本書きました(ファーストにしていただき、恐縮です)。院生たちも1本ずつ論文が採録され、業績的には2010年度はかなりいい結果になったかな、と思います。いまは投稿中の論文がないので、今後も継続的に業績を出せるように頑張りたいと思います。

大学教育・FDについては、学内のFD活動や戦略GPなど、実務的にはいろいろやりましたが、研究や書籍にはまだまだつながっていないです。これは課題です。

ゼミについては、2年目の卒論だったのですが、人数も少なかったこともあり、少しは添削することができました。指導方法についてはずっと悩むのかなぁ。。。

授業については、twitterを活用してみるなど、ソーシャルメディアの活用をやってみました。これはしばらく続けたいと思ってます。

大学については、業務としてはいろいろやってますが、場づくりという意味ではまだまだ不十分。ただ、いろいろ光は見えてきたので、来年度に向けて頑張りたいところ。

社会活動としては、twitterを中心にいろんなメディアをつかって情報を発信することを心がけています。東日本大震災のこともあり、かなり意識も変わりました。発信者の意識、受信者の意識、双方を高めていくことが大事なのは当然ですが、さらに格差は広がっていきそうな感じもしますよね。。。

とにもかくにも2010年度が終わりました。10年代の始まり、歴史的にも大きな1年になったと思います。自分にとっても変化のあった1年になったのかな、という気もしています。それはもっと先に振り返ったときに分かることなんでしょうね。

卒業式。

今日は、京都外大の卒業式。午前中に英米語学科、午後に他の学科、夕方に短大、と3回開催されます。今年は、ゼミの卒業生がたまたま英米語学科だけ、ということもあり、午前中の式に参加しました。

式の後、中庭でゼミ生たちと会いました。4回生はもちろん、3回生や去年の卒業生もきており、写真をとったり、話をしたり、とても楽しい時間を過ごしました。また、授業をとっていた学生からも声をかけてもらったりしました。うれしいことです。

式も中庭もとても華やかでした。学生たちの楽しそうな顔を見ていると、本当に幸せな気分になります。まさに、教師冥利につきる、というやつですね。いろいろ大変なことも多いのですが、大学教員はやめられません(笑)。


 


京都外大生の卒業生のみなさんには、ぜひ、京都外大を卒業したことを誇りに思って、これからいろんな場所で活躍してほしいと願っています。前日の午餐会で学長がスピーチで言及していましたが、うちの大学は、ほんとうにいい大学だと思います。もちろん、いろいろ課題も多いですが(汗)、いい学生と真面目な教職員に恵まれていると思います。だから、京都外大生であったことに自信と誇りを持ってほしい、というのが、私の願いです。

みなさん「大学で何を学んだか?」と問われたら、なんて答えますか?正直なところ、よく分からないかもしれません。私もいろんなことを教えたいと思ってますし、みなさんに学んでもらいたい、と思っていますが、未熟なところも多く、不十分だよなぁ、という思いでいっぱいです。

ただ1つ、みなさんに改めて伝えたいと思うことは、「みなさんは、これからも一生学び続ける」ということです。私も日々学んでいます。本を読んだり、人に教えてもらったり、いろいろな方法があります。学生からも学ぶこともたくさんあります。だから、みなさんも変なプライドを持つことなく、いろんな人、いろんなことから、学ぶことを続けてほしいと思います。これは大学でみなさんが身につけたであろう能力だと思っています。

今、東日本大震災により、日本は大きな転機を迎えています。これからの復興、そして発展を果たすにはみなさんの力が大きな役割を担うことになるはずです。ともに頑張っていきましょう。

久しぶりの日記になりました。

ここ1週間、京大入試におけるカンニングについて、話題になりました。試験時間中に「Yahoo!知恵袋」に試験問題に関する質問が投稿された、ということです。

犯人が特定され、逮捕されるということになりました。愉快犯、組織的犯行、などいろんな推測がなされていましたが、普通の受験生でした。私も愉快犯だと思っていたので、正直驚きました。また、自殺も考えられたので、無事保護されたことにほっとしています。

いろんなメディアで報道されていますし、ネット上でもtwitterなどでさまざまな意見が出されています。私も意見を書いていたのですが、どうしても散漫になるので、まとめておこうと思います。

まず、1点目として「京大が被害届を出したのが問題だ」という意見が多く見られます。大学入試でのカンニング、ということで、被害の大きさ、範囲などを考えてのことだと思いますし、「大学の自治」と絡めてそういうことをおっしゃられている方もおられます。ただ、今回の場合、携帯電話やインターネットを使っていたので、個人を特定するためにはYahoo!や携帯電話の会社、プロバイダに問い合わせる必要があります。当然、京大が問い合わせても個人情報の関係から教えてもらえません。ですので、大学が独自に調査しても限界があったと思われます。

カンニングの対象になった4つの大学の受験者を照合すれば、という意見もありますが、捜査段階は複数人の関与も考えられたわけで、そうなると、2大学はA、2大学はBが受験していた場合、どうしようもないことになります。そういうことから考えると、警察に協力をお願いするしか無かったと思います。

逆に、大学だけで独自で調査を行い、もし犯人を特定できなかった場合、今後の大学入試の運営(京大の入試だけではなく、全ての大学入試)に大きな影響をおよぼすことになると思います。そうなると、大学側ももちろんですが、受験生側にもストレスがかかることになると思われます。

被害届の提出も今日3月3日の午前、ということで、いろいろ配慮してのことだと思います。その点について、外野がどうこう言うことはできないのでは、と思います。

2点目として、「試験監督に問題があったのではないか」という意見も見られています。もちろん、問題があったのかもしれません。ただ、京大だけが報道で注目されてしまっている印象を持っているのですが、4大学でカンニングは実行された、という事実です。早稲田、同志社、立教大、京大の4大学の試験監督に気づかれずに実行できた、ということは、そう簡単には見つけられない手法を使っているのではないか、と予想できます。4大学とも試験監督の怠慢があった、という可能性はそれほど高くないのでは、と考えてしまうのです。

私も勤務大学で試験監督を行っていますが、やはり挙動不審な学生(頻繁に姿勢を変える、キョロキョロ顔を動かす、など)についてはチェックしています。大学の授業中でも内職している学生は大体わかります。そう考えると、どうやって実行したのだろう、ということは、私にとってはものすごく不思議です。特に試験開始直後は、なにか問題あるかもしれません(例えば、乱丁、落丁など)ので、机間巡視も行うことが多いので。

今回、逮捕ということになりました。組織的犯行や愉快犯であれば逮捕はありえるのかも、と思っていました。ただ、結果として普通の受験生だったので、逮捕までするのか、という気持ちはあります。ただ、カンニングの手法については、明らかにしてほしいと思っています。今後の日本の大学入試運営をするうえで対策する必要がある、と考えるからです。そして、起訴猶予などで釈放されてほしいと願います。そして、来年、もう一度大学受験に挑戦してもらいたいです。

入試制度の問題を指摘する人も多いですが、特に国立大学の場合は、すぐに大きく変えることは不可能でしょうし、社会構造や意識も変わらないと、難しいと思います。もちろん、大学人としては、大学の教育について真摯に改善に取り組んでいかなければならないと思っています。ただ、問題が混ざったり、すり替わったりしていることも多いので、その辺はとても気になります。

今回の問題が発覚したのは、やはり「京大」だったからだとも思います。京都大学新聞社の指摘によりネット上で広がりましたが、11時半ごろの段階で通報があったということです(「ネット投稿 試験直後に京大新聞指摘 ツイッターで拡散」(朝日新聞))。これまでの3大学では明らかになってなかった(もちろん要約の問題など見つかりにくいものもありますが)わけですから。その反面、「京大」だからこそ、これだけ報道も加熱してしまったのだろう、と思います。その点については、いろいろ思いもありますが、とりあえず「京大」「東大」の影響力を改めて認識しました。もし、これが私の勤務校の京都外大で起こっていたら、試験運営の体制について非難を受けることはあるでしょうが、これほどまでに取り上げられることはなかっただろうな、と思うので。

他にもいろいろありますし、うまく表現できていない部分もありそうですが、とりあえず書きました。

大学人として願うことは、受験生に自分の力を十分に発揮してもらいたい、ということです。それをサポートすることが私たちの役割だと思うので。

--------------------------
(追記) 2011/3/4 13:00

1つ書けていなかったことがありました。

現状の大学入試でも、携帯電話については電源を切ってかばんに入れるように指示していることが多いと思います。他には机の上に置いておく、封筒に入れる、などの対策をとっている大学もありますが、そもそも不正行為を考えている受験生が、その指示に従うとは思えません。また、携帯電話を2台以上もっている受験生もいるはずで、1台持っているのを確認したからOKということにもなりません。

入り口で持ち物の確認、ということはありえますが、隠し持っている場合はボディチェックを行うしかありません。人手で行うのは時間的にも(教職員が行うのであれば、技術的にも)厳しいでしょう。かといって、飛行機に搭乗するときのセキュリティゲートみたいなものを導入するのも難しいでしょう。

携帯電話の電波を妨害するジャミングを実施する、ということも話題になっていましたが、各大学で全教室にその設備を導入するのは予算として難しいでしょう。それに、今回は携帯電話と分かっていましたが、もし無線LANを使っていた場合、対処のしようがないと思います。

なので、試験監督としては、受験生を注意深く見るしかないだろう、と思います。カメラで撮影しておけば、なんて話も出たりしますが、それもまた問題がありますしね。

下記のブログなどが参考になりました。玉井克哉先生、落合洋司先生の意見に同意します。@next49さんのまとめもいろいろ考える上でとても参考になります。

 

最近のコメント

 

Link

  

アーカイブ

Powered by Movable Type 4.261