分科会「主体的な「学び」を目指した学習支援」 ~第14回FDフォーラム2日目~

第14回FDフォーラム2日目。第6分科会に参加。「主体的な「学び」を目指した学習支援-「グループ学習」と「プロジェクト学習」の方法と実践-」というテーマである。國安さんがコーディネータで、話者は私の方でお願いした。

午前中は3名の先生のお話。

まず、安永先生@久留米大。安永先生は日本協同学習学会の会長であり、5年ほど前にお話を聞いて、その話は「言語と平和」を設計するときにものすごく参考にさせてもらった。今回は協同学習、LTD(Learning Through Discussion)のお話。教育心理学者なので、心理学の知見に基づきながらお話しされて、とても分かりやすい。協同学習は「認知と態度の同時学習」が効果としてあげられ、自他共栄のこころ、日本的合理性、という言葉で表せる、ということをおっしゃっておられた。

また、「人に言ってつぶれてしまうアイデアは大したことない」とおっしゃられた。ものすごく共感。もちろん、一部の科学系ではあてはまらないと思うが。

安永先生の実践については、「実践・LTD話し合い学習法」「大学授業を活性化する方法」にまとめられている。とても具体的で、参考になります。

八重樫さん@立命館。PBL(Project-Based Learning)の実践について。デザイナー出身だけあって、スタイリッシュ。プレゼンもかっこいい。すごいなー。東大・ベネッセのBEATのセミナーの資料が参考になる。2つの授業を「入り口としてのPBL」「出口としてPBL」と位置づけており、実際の問題を探し、解決する能力を身につけることを目的として、とても興味深い実践を行われている。

杉原さん@山形大。今回はあえてPowerPointを使わず、資料ベースで話をされた。教養教育の大人数講義「春からのキョウヨウ教育必勝法A」、春の集中講義「なせば成る!~大学生活事始め~(教養セミナー)」などのお話。個人→共有→グループ、と学習を移行していく方略など、とても参考になる。最後は共同体などの理論的な話でまとめてくれる。さすがだ。

昼食後、グループに分かれて質問を共有、議論して上で、全体で質疑応答。安永先生が本当に柔らかい。なんやろうなぁ、あの柔らかさ。グループ作業の進め方もきっちり決めていてすごい。

質疑応答で、気になるのは、すべてPBLとかグループ学習でやるべき?みたいな質問が出てくること。そんなわけあるわけない。たしかに、今回の3名の話を聞けば、グループ学習、PBLのすばらしさはよく理解できたと思うけど、そんな全部を置き換えられるわけがない。バランスも大事だし、カリキュラム全体で見てみる必要がある。当然、学部、学科の目的にもよるだろうし。

というわけで、終了後、杉原さん、八重樫さんと”講義の重要性”についてもっとアピールしたいよね、という話になった。何かやれれば面白いと思う。

個人的には本当に満足な分科会だった。3名の先生には本当に感謝です。お忙しいところ、講演をお引き受けいただきまして、ありがとうございました。

FDフォーラム終了後、京都駅にて杉原さんと打ち合わせ。20日、21日にある大学教育研究フォーラムのラウンドテーブルである。四方山話も混ぜながら終了。

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このページは、村上正行が2009年3月 1日 23:55に書いたブログ記事です。

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