初年次教育について考える

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昼から免許更新。手続きやらなんやらで1時間、講習で2時間。行くのにも1時間弱かかるので、1日仕事ですな、、、。2時間講習を聞いて、学生の気分を味わう。

さて、今月は新聞などで初年次教育に関する話題がてんこ盛りだった。まず、6月3日に朝日新聞と読売新聞に掲載されたものが口火を切る。「初年次教育で、やる気」(朝日新聞 '08/6/3)、「教育ルネサンス 学生を育てる(1)意欲引き出す 授業や行事」(読売新聞 '08/6/3)。関西国際大学での取組である。入学式での歓迎の儀式を始めとした大学への帰属意識を高める仕掛け、ノートのとり方や文献の読み方、レポートの書き方などの学習技術を教えることによって大学での学びへと導く取組など全学的に取り組んでいる。

そして、「教育ルネサンス 学生を育てる(3)日本語鍛え 学ぶ姿勢」(読売新聞 '08/6/3)。今年1月に見学に行った京都精華大学の「日本語リテラシー」の取組である。

教員4人と助手10人でチームを編成し、徹底的に指導をするため、課題作文を書かせて習熟度別クラスに分ける。漫画や映画も教材に、課題に沿って何を書きたいかをメモさせる。それを元にした討論や教員との面談、添削指導も経て、1学期に1000~2000字の課題作文五つを完成させる。

といった形で、なるべく少人数で指導する体制を作りつつ、基本的な文章能力を身につけさせることを目指している。関西国際大も京都精華大も、関係作り、アイデンティティ作りに力点を置いていることが分かる。これはほとんどの大学において、1つのポイントになるだろう。「○○大生でよかった」と思ってもらえることが、大学での学業においても、卒業後においても重要になると思われるからだ。

関西国際大学の場合は全学的に取り組んでいる点、京都精華大学の場合は文章作成指導のノウハウなどが特に参考になる。当たり前のことであるが、各大学がお互いの取組を参考にしながらも、自分の大学にあった初年次教育を設計、実践していく必要がある。うち大学では、いま文章作成能力、論理的な思考をどうやったら学生に身につけさせることができるかを、教養教育の教員で考えているところ。

6月29日に朝日新聞社主催で「シンポジウム 大学教育を考える―初年次教育を学士力にどうつなげるか」が開催されます。残念ながらちょっと行けないのだが、興味のある方、ぜひご参加下さい。

コメント(2)

他所には無い本格的な教育メソッドを開発したいですね。
陳腐な物真似ではなくて、根本の原理から徹底的に考えたいですねえ。散漫な文章を書いている学生を、論理的に構造化されたタイトな文章を書けるように、訓練したいですねえ。

でも、僕は、事柄の論理を突き詰めるのは得意ですけれど、学生を「その気にさせる」のが苦手。モチベーションを高めるのが苦手。必要な事、大切な事を「楽しく」学ばせる手法の開発では、多くの助言を戴かないと何もできません。宜しくお願い致します。

うまく学生に能力をつけてもらえるようにしたいですね。

私もそれほど「その気」にさせるのは得意ではないので、
その点は、わが上司K先生に頼りましょう(笑)。

実践を考えたり、実働面は、がんばります。

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このページは、村上正行が2008年6月15日 23:55に書いたブログ記事です。

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