「大学での高校補習に補助金」ってどう?

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後期の金曜日は授業がない。すばらしい。この金曜日を有効に使わねば。

歯医者に行ってから、大学へ。SPSSを使おうと思ったら、持ってるバージョンがVistaで動かないことが分かり、新しいバージョンを買うことに。うーむ。

午後から外大の院生2名が研究室を来訪。統計の質問があるということだったが、基本的には質問紙データの分析計画を立てる、ということになった。

夜に天山の湯、マッサージ。いやされる。

さて、話題のニュース。「大学の高校補習に補助金 来年度から文科省 学力低下に対応」(MSN産経ニュース '08/9/24)。

 少子化の一方で大学数が増え続けて進学が容易になり、「全入時代」に事実上突入し、学生数を確保するために推薦・AO入試で一般入試を経ない大学生も増えている。このため、大学関係者からは「高校の授業内容の理解が乏しいため、大学の専門教育についていけない学生が増えてきた」との指摘が上がっている。

このため、文科省は、大学生らに高校の授業内容を復習させる機会を広げる必要があると判断した。

来年度から行われる取り組みは、大学、短大、高等専門学校から公募。同省設置の有識者委員会の審査で合格すれば、年間2000万円以内の補助金を1~3年間交付する。

これだけ読むとGPより少し幅広そうな気はするけど、どうなのかしら。しかし、高校の授業内容の復習を大学でやる、ということは、大学の存在意義自体が問われているとも言えるだろう。一部の高校では、小学校の内容から勉強しなおして生徒の勉強に対する動機づけを高める、という取り組みがある。大学もその枠組みで考えるべきなのか?と思わないでもない。そもそも記事にもあるように、学力試験を経ていない場合や1教科入試などの場合も多い。これはある意味、大学が潰れないように生徒を入学させているわけだから、大学側としては文句言わずに勉強を教えないといけないということも言える。

正論は、「大学側が一定学力に満たない生徒を入学させなければよい」ということなのだけどね、、、。大学人としては、とても悩ましいところ。個人的には、文系科目ではそれほど必要ないような気はしていて、内容をうまく調整することで対応できないかな、とは思っている。ただ、読み書きレベルでしんどい場合はやはり必要ですけどね。。。

あと、こういう話題のときに、入学前教育、リメディアル教育、初年次教育としっかりと分けて考えておかないといけない。初年次教育(1回生向けの内容)と入学前教育(推薦入試などで入学する生徒に対する教育。0回生と言っていいかも)については、大学で検討する必要はあるだろう。リメディアル教育については、入学前教育でなんとか対応できるようになれば、というのが個人的な意見。まあ、もちろん実際は難しいんですけど。。。

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義務教育こそ、安易に進級・卒業させるのではなく、進級制を採るべきだ。どうせ金を出すなら、基礎の部分を理解できるまで教育することに費やして欲しい。生きるのに必要な基礎学力のないものには、小学校の卒業を認めるべきではない。戦前であれば、読み書きそろばんができなければ丁稚さえつとまらないが、それでも家が職人であれば、最終の受け皿として、家業をたたき込まれるという"救済"のみちがあった。現代では、小学校がまさにその役を負うべきである。一方で、不登校などと言う問題が病気として認知される時代でもあり、ほとんど学校に通わないまま卒業が認定されるという義務教育の矛盾も解決されねばならぬ。大学で!何を今更!脳みそが固まってからでは遅すぎる!というカンジ。

>TAKA先生
コメントありがとうございます。

小学校の教育の重要性はより高くなってきていると思います。モンスターペアレントが話題ですが、小学校の先生の業務の負荷は年々高くなってきていますし、国や自治体がもっと予算を出して、教員の質・量ともに確保しないといけないと思います。知り合いの大学教員の話では、財務省の壁がなかなか大きいようですね。大学の教員よりも小中の先生の方がはるかに大変だ、とここ数年痛感しているので、なにかしら力になれればと思っています。

大学の質を考えるときに、学生数をしぼればいい、という話題も出てきます(実際そうすればいいのでは、と思うときもありますが)が、現実としては難しいでしょうし、給料は教育でもらっているわけなので、できる限りのことをやっていかないといけないですね。

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このページは、村上正行が2008年9月26日 23:55に書いたブログ記事です。

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