「下流大学に入ろう!」

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「調査・統計の基礎」。レポート作り。みんな頑張って作っている感じ。

午後から教育GP打ち合わせ。システムは出来ているので、まずは3月までどうやって運用していくか。4月以降の授業での活用を中心にすえるべきではあるが、それでもSNSの活性化はなかなか難しい。その辺りをどうデザインしていくか、がポイントになる。

事務作業に従事。業績書いたり、まとめてもらったり。細かい、、、。大体でいいのにね。履歴書書いたり、写真撮ったり。大体でいいのにね(2回目(笑))。えらい時間をとられる。ただ、職員の方に業績をまとめてもらえて助かった。

帰ってから、いろいろ作業。仮眠とるつもりが、コタツでそのまま寝てしまう。。。あぁ。

山内太地氏の「下流大学に入ろう!」。発売直後に読んでいたのだけど、とても面白い。山内氏はライターで大学を巡っておられるそうで、この面白さは大量の一次情報によるものだと思う。

下流大学という言葉は、やはりあまり好きではないが、三浦展の「下流大学が日本を滅ぼす!」(感想を書いた以前の日記)に対してのタイトルなので仕方ないところ。三浦氏の本がデータに基づいていない分、この本はデータに基づいているところが
ぜんぜん違うところ。

タイトルはちょっと違和感もあるが、内容はしっかりしていて、ランク付けに一喜一憂せず、多くの大学はリベラルアーツを目指すべきである、と述べている。ICUが1つのモデルとして提唱される。その通りだと思う。18歳の60%近くが大学に進学するというユニバーサル段階になったわけで、研究系大学を目指せる大学は別として、多くの大学は学生に教養を身につけさせることを目指すべきだと思う。逆にあまり就職に役立つ能力だけを意識すると、その能力がすぐ使えなくなることもあるのだから、地に足つけてリベラルアーツを修得させるべきだろう。

本論では、いろんな大学の取組が紹介されており、興味深い。新学科のオープンキャンパスに閑古鳥が、、、という話題もあり、いい話ばかり出ないところも有用だと思う。

自分の大学の”売り”をどう捉えて、どうアピールしていくのか、が大事だ、ということを示してくれていると思う。本来、大学人が自分で理解すべきことだとは思うのだが、、、なかなかできていないのが現状だと思う。こういう本を使って、自大学の立ち位置を理解すると同時に、教職員の意識を変えていければなぁ、と思う。

しかし、うちの大学にも来てるんだよなぁ、、、どう思ったのかしら(笑)。

あと、同時期に「学歴ロンダリング」という本も出ていて、読んだのだけど、、、こちらはちょっと違和感。唯野さんが書いている部分を中心に「確かに」と思う部分もある反面、この本の意識のような形で進学されるとちょっと厳しいな、と思う。

 

コメント(6)

私もいわゆる下流大学で仕事をしているので今回の日記は
非常に興味深く拝読いたしました。
「下流大学こそ、地に足をつけたリベラルアーツ教育を」
というのは、私もつねづね重要なことと感じていました。
しかしながら、教養教育や学生への面倒見の良さを充実して
いっても、それだけじゃなかなか大学の売りにはしにくい
のではないかと思います。私が行ってるS大は芸術系学部が
看板ですが、京都市内には美大がたくさんありますし、生き残りは
難しそうです。

それから学歴ロンダリングのことですが、私もロンダ組なので
その本の内容が気になりました。たしかに院試を受けて
一流大学にはいるのは簡単ですが、そのブランドを生かして
就職したりその後の人生を切り開いていったりというのは
そうそう簡単なことじゃないですよね。

上の方が指摘されている「教養教育や学生への面倒見の良さを充実していっても、それだけじゃなかなか大学の売りにはしにくいのではないか」という疑問は、とても大切な点である、と思います。その疑問の答えを見出すこと、実は、それを僕は目指しています。

>くまがいくん
リベラルアーツ、とても重要だけど、たしかに売りにはしにくいよね。ただ、それは根底においておきたい、ということはあります。どうしても教員は「研究者」としての意識だけ持つことが多いしね。それに加えて、少し特色を、ということだと思いますが、、、難しいんですけどね。でも、この本に載っている大学はがんばってます。

”学歴ロンダ”は、まず言葉自体が好きじゃないのですよね、個人的に。まあ、それはさておいて。

本を読んだ感じ、どうしても、”学歴コンプレックスから抜け出すために”、戦略的に学歴ロンダして、修士出て就職しよう、という感じを受けるのです。戦略立てること自体はいいのですが、、、目的がなんか、ね。もちろんいい大学にいけば、優秀な人材も多いし、人間関係もつくれるし、いいことが多いと思います。素直に行きたい、研究してみたい、というのだったら全く問題ないと思うのですけどね。

基本的に博士には行かない方がいい、という指摘はありますし、全体を通して、事実を述べているのは確かです。ただ、どうもねぇ、、、まあ、これは好みもあるでしょうね。

ぜひ、一度本屋で見てみてください。

>あきちゃん先生

そうですね。私もどうすればいいのか、というのをよく考えます。あと30年ちょっと大学業界で生きていくつもりなので、幅広く考えてみたいですし、自分に何ができるだろう、と思ってます。できれば、30代のうちに行動に移せたらな、と思ってます。

『下流大学に入ろう!』著者の山内太地です。
このたびはありがとうございます。
今後とも、応援よろしくお願いいたします。

>山内さん

コメントありがとうございます。
とても興味深く読ませていただきました。

以前から、機会があれば、ぜひ講演してもらいたいなぁ、
と考えていて、何とか実現に持っていきたいと思っています。
#ただ、聴衆人数が少ないかも、という心配があるので、
#そうならないような仕掛けが必要なのですが。。。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。

自分もこの本に関して運営する一角で色々、書いています。
いい本だと思いますね。

いわゆる学歴ロンダリングに関してですが自分の意見でいえば有名大学の学位はややあるとは思いますが今は社会が高度化してOJTで学ばなければという部分もかなり多いと思います。

このブログ記事について

このページは、村上正行が2009年1月15日 23:55に書いたブログ記事です。

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